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ツール呼び出しとは?AI統合の完全ガイド

執筆者
Jack Limebear
公開日
最終更新日

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AIモデルは学習データをもとに推論・補完し、ユーザーに応答します。しかし、リクエストがその初期情報の範囲を超える場合はどうなるのでしょうか?

ツール呼び出しは、こうした知識や機能のギャップを埋める機能です。更新の送信といったアクションの実行やデータダッシュボードからのコンテンツ取得など、外部ツールやシステムに追加の支援をリクエストできます。

この記事では、ツール呼び出しとは何か、関数呼び出しとの違い、そしてElevenAgentsがツール呼び出しを会話型AIワークフローでどのように活用するかを解説します。

概要

  • ツール呼び出しにより、AIモデルはアクションを実行し、外部ツールやAPIに情報をリクエストできます。
  • AIモデル自体がツールを直接実行するわけではありません。代わりに、アプリケーションレイヤーがリクエストを実行します。
  • ツール呼び出しは5つのステップで進み、1つのリクエストで複数のツールが起動されることもあります。
  • ツール呼び出しは、情報取得、コード実行、デバイス制御、ワークフローやプロセスとの連携に利用できます。
  • ElevenAgentsは音声エージェントでのツール呼び出しをサポートしており、会話型AIアシスタントが代わりにタスクを完了できます。

ツール呼び出しとは?

ツール呼び出しは、AIモデルが別のシステムと連携できるようにする機能です。そのシステムは、データベース、API、ソフトウェアなど、学習データの範囲を超えた機能を実行できるものであれば何でもかまいません。 

ツール呼び出しでは、通常JSON形式で、サードパーティーシステムにタスクの実行を依頼するリクエストを生成します。AIシステムはツール呼び出しを使用して、外部システムへのクエリ、リアルタイム情報の取得、コマンドの実行、操作の実施を行います。ツールを呼び出す機能により、エージェント型AIは外部リソースにアクセスし、サードパーティーシステムを動的に利用して、より複雑なタスクや複数ステップのタスクを完了できます。

ツールを呼び出せることが、既存の知識にもとづいてしか応答できないLLMと、エージェント型AIアシスタントを分ける要素です。

ツール呼び出しが重要な理由

大規模言語モデルは、膨大な過去データを学習して能力を身につけます。これによりユーザーへの応答や情報提供に強力なシステムとなる一方、初期の学習コンテキストや情報コーパスを超えることは苦手です。LLMの対象範囲外、または能力を超える情報を求める場合、それを提供するには外部の支援が必要になります。

ツール呼び出しはその外部支援です。LLMは他のソースから最新データを取得したり、サードパーティーAPIや社内データベースなど、企業がすでに運用しているライブシステムと連携したりできます。

AIシステムにおけるツール呼び出しには、数多くのメリットがあります。

  • ハルシネーションの削減:情報の検証にツールを直接呼び出すシステムは、情報を作り出したり学習データから推測したりする可能性を避け、根拠とデータにもとづいて動作します。
  • 自律性と対応範囲の拡大: ツール呼び出し対応のLLMは、情報提供にとどまらないアクションを完了できます。 
  • リアルタイムな回答: ライブソースをポーリングすることで、LLMはデータベースやAPI呼び出しからリアルタイムデータを取得できます。学習データだけでは得られない最新情報を提供できます。
  • 複数ステップのプロセスを自動化: 複数のシステムとのやり取りが必要なタスクも、ツール呼び出し対応LLMなら1つのプロンプトに集約できます。操作ウィンドウを離れることなく、他のシステムにクエリして情報を取得できます。

Gartnerは、エンタープライズアプリケーションの40%が2026年末までに、タスク特化型のAIエージェントと統合されると予測しています。2025年には5%未満でした。タスクに適したツールを呼び出せるモデルは機能を拡張し、自然言語によるプロンプトでユーザーの作業量を増やします。

ツール呼び出しと検索拡張生成(RAG)の比較

検索拡張生成とツール呼び出しはどちらも、モデルの学習データが提供するコンテキストを超えるデータを検索するためのものですが、焦点は異なります。RAGは主に、記事やドキュメント、モデルに接続するナレッジベースなどの静的コンテンツに使用されます。LLMに追加コンテキストを与え、より包括的な回答の生成を支援します。

ツール呼び出しは、絶えず変化するリアルタイムシステムを含め、情報に動的にアクセスするためのものです。RAGは特定年の価格表PDFを取得できますが、ツール呼び出しなら接続されたシステムから現在の価格を即座に取得できます。ナレッジベースとライブツールの両方が多くのユースケースで重要であるため、ほとんどのLLMシステムではこれらの機能を組み合わせて使用します。

RAG retrieves static knowledge; tool calling accesses live systems; most systems use both.

ツール呼び出しの仕組み

ツール呼び出しは、AIエージェントが社内アプリと外部モデルのどちらを呼び出す場合でも、ほぼ標準的なパターンに従います。 

ツール呼び出しの流れを大まかに見てみましょう。

  1. ツール呼び出しが必要かどうかを判断する
  2. 接続済みシステムから適切なツールを選択する
  3. リクエストを作成して送信する
  4. リクエストが実行され、結果が返される
  5. モデルが応答する、または次のアクションを実行する

それぞれを詳しく見ていきましょう。

Five-step tool-calling flow from prompt to action; model requests, application executes.

ステップ1:ツール呼び出しが必要かどうかを判断する

自然言語でリクエストを入力すると、モデルはプロンプトを読み取り、ツールによる外部支援が必要かどうかを判断します。学習データに沿った質問には外部支援は必要ありませんが、モデルのコンテキストを超える質問などでは必要になります。

たとえば、「Salesforceにおける第2四半期の売上はいくらでしたか?」や「Shopifyストアの現在のアクティブユーザー数は?」といった質問には、いずれもツール呼び出しが必要です。

ステップ2:接続済みシステムから適切なツールを選択する

モデルがアクセスできるツールにはそれぞれ、名前、機能の自然言語による説明、受け付けるパラメータからなるスキーマがあります。モデルはリクエストを各説明と照合し、目的に合うツールを見つけます。特にエージェントが多数のツールを持つ場合、関連するツールを絞り込む内部プロセスを実行します。数百ものツールを手作業で調べると、呼び出すべきツールの特定が大幅に遅くなるためです。

ステップ3:リクエストを作成して送信する

適切なツールを選択した後、モデルは構造化された呼び出しを構築します。多くの場合、JSON形式です。この呼び出しでは、呼び出すツールとリクエストの内容を定義します。たとえば、ボゴタの天気を問い合わせる場合は、{"name": "get_weather", "arguments": {"city": "Bogota"}}のようになります。モデルがこの呼び出しを出力し、次のステップでアプリケーションレイヤーが実行します。

ステップ4:リクエストが実行され、結果が返される 

アプリケーションレイヤーはモデルのリクエストを受け取り、ツールを実行するか、APIを呼び出してリクエストを実行します。その応答は追加コンテキストとして元のモデルに渡され、モデルはユーザーへの返信に反映できます。 

ステップ5:モデルが応答する、または次のアクションを実行する

ツール呼び出しから得たデータや情報を使い、モデルは自然言語でユーザーに応答するか、特定のアクションが完了したことを確認します。後者は、特定プラットフォームへのメッセージ投稿やデータベースへのデータ入力など、ユーザーが実現したいタスクがアクション指向である場合に発生します。

タスクにさらにステップが必要な場合、モデルは必要に応じてステップ1〜4を繰り返します。より複雑なリクエストでは、ユーザーに最終回答を返す前に複数のツールを呼び出す必要がある場合があります。たとえば、現在の為替レートを確認してから通貨換算したい場合、モデルは最終目標を達成するために複数のステップを順番に実行する必要があります。 

ツール呼び出しの種類

ツール呼び出しとは、モデルが基礎となる学習範囲を超えたデータを得るために外部システムを呼び出すあらゆる場面を指します。実際のプロセスでは複数の異なるシステムを呼び出すことがあり、ユースケースごとに異なる種類のツールが利用されます。

  • 情報取得: API、接続済みの企業データベース、検索インデックスなどの外部ソースからデータを取得し、モデルの元の学習コンテキストの範囲を超える質問に答えます。
  • コード実行: コード環境を通じてスクリプト、データ変換プロセス、計算を実行することです。通常、分析が実際にどのように機能するかを説明するだけでなく、データを分析するために使用されます。
  • プロセス自動化: API呼び出しが、CMSとの連携、会議の予定設定、レコードの更新、通知の送信、リクエストを完了済みアクションに変換するなど、別のシステム内の特定ワークフローをトリガーすることを指します。これは、個人に代わってタスクを実行するエージェント型システムで特に一般的です。
  • デバイスとシステムの制御: 別のデバイス、電話システム、スマートホームアシスタントなどと連携するツール呼び出しは、すべてこのカテゴリに含まれます。

ツール呼び出しは、必ずしもこれらのカテゴリの1つにきれいに収まるとは限りません。上記の複数カテゴリを連続的に組み合わせる、複数ステップの連鎖した呼び出しもあります。たとえば、顧客の注文状況を取得し、返金をトリガーしてから、社内CRMを更新し、その情報をライブエージェントに伝えることができます。

Four types of tool calling: retrieval, code, automation, and device control, often chained.

ツール呼び出しと関数呼び出しの比較:主な違い

ツール呼び出しは関数呼び出しよりも広いカテゴリで、より広範な領域と多様な機能をカバーします。関数呼び出しとは、モデルが事前定義された関数に対して、引数を含む構造化された呼び出しを生成することです。

以下の表で、ツール呼び出しと関数呼び出しの違いを整理します。 

Function calling
Overall scope
A model that can generate a function call for a specific predetermined action
Origin
OpenAI introduced the term back in 2023
Relationship
A narrow subset of tool calling
Commonly found
Within older API documentation or legacy parameters
Tool calling
Overall scope
A wide capability that relates to calling APIs, executing code, and interacting with external systems
Origin
The wider industry term that has now become popularized, stemming from a model’s ability to interact with multiple external tools
Relationship
A broad concept that includes function calling
Commonly found
Modern documentation used by most AI companies
Function calling is a narrow subset of tool calling; terms are often used interchangeably.

ツール呼び出しの信頼性は? 

ツール呼び出しの信頼性は、呼び出しを行うモデルに完全に依存します。また、障害の現れ方はシステムによって異なる場合があります。たとえば、あるAIモデルはツール呼び出しに失敗した後、単に回答をハルシネーションするかもしれません。一方、別のモデルはユーザーに再試行を促すかもしれません。 

Berkeley Function Calling Leaderboardは、ツール呼び出しに関する各モデルの性能を比較する際に、よく参照されるリーダーボードです。関数呼び出しのリーダーボードとされていますが、実際にはAPI呼び出し、データベースクエリからの情報収集、並列呼び出しの実行、マルチターン会話での応答をモデルでテストし、ツール呼び出しの効率を測定しています。

モデルは、総コスト、ウェブ検索能力、マルチターン会話の精度、ハルシネーションの測定、レイテンシーなどについて評価されます。複雑なワークフローや複数ステップのワークフローを実行する場合、より包括的なツール呼び出し機能を持つモデルを知ることは有用です。 

ElevenAgentsでツール呼び出しを始める

ElevenAgentsでは複数のモデルから選択でき、ワークロードに最適な基盤モデルを組み合わせられます。音声エージェントはツールを呼び出し、注文の検索、レコードの確認、データベースの更新、APIからの情報収集を行えます。

外部APIを呼び出すWebhookツール、アプリケーションまたはブラウザ上でアクションをトリガーするクライアントツール、カスタムのサーバーサイドロジック用コードツール、外部ツールサーバーに接続するMCPツール、人間のエージェントへの転送など組み込みアクション用のシステムツールなど、さまざまな種類のツールを呼び出せます。

ElevenLabsは、事前構築済みのネイティブコネクターも提供しています。Zendesk、HubSpot、Salesforceなど、多数のサービスに対応しており、カスタム設定の必要がありません。ElevenAgentsについて詳しく見るか、登録して、ツール呼び出し対応の音声エージェント構築を今すぐ始めましょう。

よくある質問

執筆者

Jack LimebearはGrowthチームに所属し、ブログやインサイトページのコンテンツライター兼ストラテジストとして活躍しています。ElevenLabsに入社する前は、急成長中のSaaSスタートアップからFortune 500企業まで、さまざまな組織で10年以上にわたりコンテンツ戦略をリードしてきました。ケンブリッジ大学で英文学の修士号を取得しています。

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