多言語文字起こしとは?その仕組みを解説
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国際会議を主催する場合でも、あらゆる言語のカスタマーサポート会話を正確に記録したい場合でも、多言語文字起こしの必要性はこれまで以上に高まっています。
多言語文字起こしツールは、オーディオデータを正確で検索可能なテキストに変換し、会話を活用できる記録に変えます。言語をまたぐ文字起こしを可能にする技術は、スピーチtoテキスト(STT)モデルに関する研究の進展とともに成熟してきました。デベロッパーは今では、複雑な多言語文字起こしパイプラインに強力なSTT APIを組み込めます。
この記事では、多言語文字起こしとは何か、デスクトップアプリとAPIでの仕組み、そして世界中の企業にとって不可欠な理由を解説します。
概要
- 多言語文字起こしは、オーディオファイルを複数の言語にわたるテキストへ変換します。
- 優れた多言語文字起こしツールには、話者ダイアライゼーション、キータームプロンプト、エンティティ検出などの追加機能があります。
- 多言語文字起こしツールはオンラインで使えるほか、開発ワークフロー向けにスピーチtoテキストAPIを統合できます。
- 自動文字起こしはスピードとスケールに対応し、複数の話者が重なって話す複雑なケースでは人手による文字起こしが役立つことがあります。
- 多言語文字起こしの精度は、言語によって異なる単語誤り率(WER)で測定されます。
多言語文字起こしとは?なぜ重要なのか?
多言語文字起こしは、音声を複数の言語にわたるテキストへ変換します。AIシステムが話されている言語を自動検出し、オーディオを文字起こしします。多言語STTの出力は逐語的な文字起こしにすることも、入力言語を共通の出力言語に統一する翻訳レイヤーを含めることもできます。
たとえば国際会議では、登壇者が母語で質問を受けることがあります。多言語スピーチtoテキストツールなら、各登壇者の発言をそれぞれの言語で直接文字起こしすることも、参加者が読めるように対象言語で統一した出力を作成することも可能です。こうしたSTTツールを使えば、イベントへのアクセシビリティを高められます。
ElevenLabsは、多言語STT機能をスピーチtoテキストのScribe v2モデルに直接組み込んでいます。Scribe v2は自動言語検出に対応しているため、1つのファイルに複数の言語を含められます。オーディオクリップに含まれる言語を指定することも、「検出」のままにしてアップロードしたファイル内の言語をシステムに識別させることもできます。
ElevenAPIでは、language_codeパラメータはデフォルトで自動予測されます。含まれる言語があらかじめわかっている場合は、事前に指定するとパフォーマンスが向上します。
多言語文字起こしが重要な理由
近年の調査によると、世界の文字起こしサービス市場は2035年までに60億ドルに達すると予測されています。この成長を後押しする要因の一つが、多言語STTを活用する幅広いユースケースです。
多言語文字起こしが重要である実践的な理由は、いくつかあります。
- アクセシビリティ:翻訳や吹き替えを始めるには、正確な多言語文字起こしに基づくキャプションや字幕が必要です。多言語STTは、ユーザーのアクセシビリティを大幅に向上させます。
- 検索性:文字起こししたオーディオはインデックス可能なテキストになり、サポート通話や会議を他の人にとって有用なリソースにできます。AIシステムが社内ドキュメントからより多くのデータを提示するようになる中、検索性は特に重要です。明確な文字起こしは、包括的な入力リファレンスの構築に役立ちます。
- コンプライアンス:規制対象の業界の多くでは、音声でのやり取りについて監査可能な文書記録が求められます。多言語STTなら、顧客が使用するすべての言語でこれに対応できます。たとえば、金融行為規制機構は、金融機関が電話での会話の録音と文字起こしを保管しなければならないと定めています。
- グローバルコンテンツパイプライン:吹き替えでも字幕作成でも、ワークフローは常に高精度な初期文字起こしから始まります。高品質な多言語文字起こしツールは、より広範なグローバルコンテンツ配信ワークフローの最初のステップを実現します。
多言語文字起こしは、数多くの業界で不可欠です。通信事業者によるサポート通話の文字起こし、金融サービス企業のコンプライアンス対応、医療チームによる患者とのやり取りの記録、映画スタジオのコンテンツローカライズなどに活用されています。SaaS、旅行、公共サービスなど、どの業界でも強力なシステムを導入すれば、常に高品質かつ正確な文字起こし結果を得られます。
多言語文字起こしソリューションで注目すべき主な機能
多言語文字起こしツールには、扱うオーディオ入力に適応し、言語を動的に識別して高精度に文字起こしする能力が必要です。
高品質な多言語文字起こしソリューションで注目すべき主な機能は次のとおりです。
- 自動言語検出:ユーザーがソース言語を指定するまで文字起こしを止めるのではなく、システムが話されている言語を自ら識別する必要があります。入力言語が不明な場合や、複数の言語を含むクリップでは特に、自動言語検出により手動設定なしで複数言語を扱えます。
- 話者ダイアライゼーション:ダイアライゼーションは、ファイル内の文字起こしテキストを正しい話者に割り当てます。複数の話者を含むオーディオの文字起こしでは重要です。たとえば、パネルに登壇する複数の人物を区別する必要がある場合や、顧客とサポート担当者の発言を明確に区別したい場合などです。Scribe v2は、1ファイルあたり最大32人の話者のダイアライゼーションに対応しています。
- キータームプロンプト:キータームを使うと、プロダクト名や固有名詞など特定の語彙を手動で入力し、文字起こしの精度を高められます。バッチシステムでは、Scribe v2は最大1,000個のキータームに対応し、ライブ文字起こし向けのScribe v2 Realtimeでは最大50個に対応しています。
- エンティティ検出:エンティティ検出は文字起こし内の特定の語句を識別します。機密データを保護するコンプライアンスやセキュリティ対策に不可欠です。対応する56種類のエンティティタイプの詳細は、ElevenLabsのエンティティ検出ドキュメントをご覧ください。
- 幅広い言語対応:当然ながら、優れた多言語STTソリューションは、非常に幅広い言語で文字起こしに対応しています。参考として、Scribe v2は90以上の言語で正確な文字起こしを提供します。
これらの機能を組み合わせることで、幅広いユースケースに対応し、複数言語を高精度にカバーする信頼性の高いSTTシステムを活用できます。

異なる言語のオーディオを効率的に文字起こしする方法
異なる言語のオーディオを文字起こしする最も効果的な方法は、想定するワークロードによって異なります。単発のバッチファイルなら、ElevenLabsのスピーチtoテキストページでファイルをアップロードすると、すばやく文字起こしを受け取れます。
ElevenCreativeでオーディオを文字起こしする手順は簡単です。
- オーディオをアップロード:スピーチtoテキストに移動し、「ファイルを文字起こし」をクリックします。
- オプションを選択:メインの言語を選択するか、「検出」のままにします。笑い声などの非音声イベントにタグを付ける場合はオーディオイベントをオンにし、必要に応じてキータームを追加します。
- 結果を確認:ファイルをアップロードすると、オーディオファイル名をクリックして文字起こしを確認できます。そこからトランスクリプトエディターで直接内容を確認・調整し、後続の各ワークフローで必要な形式にエクスポートできます。
プログラムによる文字起こしや大量の文字起こしには、スピーチtoテキストAPIを使用します。本番パイプラインを構築する際に役立つポイントを紹介します。
- モデルの選択:model_idパラメータでscribe_v2とscribe_v1のどちらかを選択できます。時間とともに変更される可能性があるデフォルトに依存せず、パイプラインで特定のモデルを指定できます。
- 言語の処理:language_codeパラメータはISO-639-1またはISO-639-3コードを受け付け、未設定の場合は自動検出がデフォルトになります。言語を直接指定すると、パフォーマンスが向上する場合があります。
- 話者ダイアライゼーションの制御:diarizeをtrueに設定すると、話している話者を注釈として付与します。num_speakersパラメータでは、人数を1~32人に制限できます。より細かく制御するには、diarization_thresholdパラメータで話者の区別に関するトレードオフを調整できます。
- タイムスタンプの精度:timestamps_granularityパラメータで出力の詳細度を制御します。単語レベル、文字レベル、またはタイムスタンプなしを選択できます。
- 大規模な非同期処理:webhookをtrueに設定すると、すぐにレスポンスが返され、処理完了後に設定済みのWebhookへ完成した文字起こしが配信されます。webhook_metadataフィールドでは、内部ジョブIDなどのカスタム追跡データを各Webhookレスポンスに追加できます。
- マルチチャンネルオーディオ:use_multi_channelをtrueに設定すると、最大5チャンネルまで、各チャンネルを個別に文字起こしします。すべての単語にはchannel_indexフィールドが付与されます。
- 特化したコンテンツ処理:keytermsパラメータでは、最大1,000個の特定の単語またはフレーズを優先して文字起こしできます。entity_detectionはPII(個人識別情報)などの機密データにフラグを付け、no_verbatimはフィラーワードや言い直しを出力から除去します。
これらのパラメータにより、パイプラインのすべての段階をきめ細かく制御できます。言語検出や話者ラベル付けから、出力形式や配信まで、スピーチtoテキストAPIは本番環境のニーズに適応します。

文字起こしサービスの対応言語を解説
対応言語の範囲は、優れた多言語文字起こしツールを見分ける大きな要素です。ElevenLabs Scribe v2とScribe v2 Realtimeはいずれも90以上の言語に対応しており、スピーチtoテキストのドキュメントには対応言語の全リストが掲載されています。
英語、スペイン語、イタリア語、ポーランド語、フランス語、ドイツ語などは学習データの量が多いため、STTの精度も高い傾向があります。アムハラ語、ガンダ語、ヨルバ語、ズールー語などは、上記の言語より精度が低くなります。
ElevenLabs Scribeモデルは、36言語で単語誤り率が5%未満、さらに21言語でWERが10%未満です。対応言語と各WERの詳細については、ElevenLabsの言語対応の内訳をご覧ください。
多言語文字起こしの費用は?
一般的に、自動文字起こしの料金は単語数や対象言語数ではなく、オーディオファイルの長さに基づいて設定されます。ElevenLabsのスピーチtoテキストはオーディオの長さに応じて、1時間単位で課金されます。具体的な料金はプランとモデルによって異なります。
多言語文字起こしの料金に影響する主な要素は次のとおりです。
- 追加の文字起こし機能:プロバイダーによっては、エンティティ検出など特定の機能を有効にするために追加料金がかかります。
- マルチチャンネルオーディオはチャンネルごとに課金:use_multi_channelを有効にすると、各チャンネルが個別に課金されます。そのため、2チャンネルの録音は1チャンネルの録音の約2倍の費用になります。
- 言語によって基本料金は変わらない:時間ベースの料金設定では、複数の言語に対応しても1時間あたりの料金は同じです。複数言語を扱うチームでも予算を立てやすくなります。
ElevenLabsのスピーチtoテキストの料金について詳しくは、料金ページをご覧ください。
ElevenAPIで高精度な多言語文字起こしを始める
ElevenAPIなら、わずか数ステップで多言語文字起こしをあらゆる本番ワークフローに導入できます。グローバルなメディアアーカイブ向けのコンテンツ、カスタマーサポートでのやり取り、会議、リサーチインタビューを文字起こしする場合も、数十の言語で正確な音声認識を求める場合も、強力な多言語STTエンジンが役立ちます。
ElevenAPI スピーチtoテキストAPIで機能の詳細を確認するか、ElevenLabsアカウントを作成して、今すぐ多言語オーディオの文字起こしを始めましょう。



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