ウォーム転送とコールド転送:最適な転送方法の選び方
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通話転送では、コンテキストをどう引き継ぐかが重要です。ウォーム転送なら、応答する担当者は発信者が電話をかけた理由を把握しています。一方、コールド転送では、発信者が最初から説明し直します。選択する転送方法は、対応時間や初回解決率だけでなく、発信者によるカスタマーサポート体験の評価にも影響します。
この記事では、ウォーム転送とコールド転送の違いを確認し、カスタマーサポートでどちらを選ぶべきかを解説します。
概要
- ウォームハンドオフや有人転送とも呼ばれるウォーム転送では、発信者がつながる前に転送先へコンテキストを伝えます。コールド転送では伝えません。
- 中間転送は両者の中間です。転送先へ発信し、会議通話や直接の紹介をせずにつなぎます。
- ウォーム転送は複雑またはデリケートな問題に、コールド転送は単純で件数の多いルーティングに適しています。
- ウォーム転送には、短いコンテキストの要約と、応答がない場合の代替手段が必要です。
- ElevenAgentsは3種類の転送に対応しています。Twilioネイティブインテグレーションのカンファレンス転送では、人間のオペレーターにウォーム転送メッセージを伝えられます。
ウォーム転送とコールド転送:主な違い
ウォーム転送とコールド転送の基本的な違いは、転送時に引き継がれる情報量です。ウォーム転送では、転送先が問題の内容をあらかじめ把握できるよう、発信者のコンテキストを伝えます。
コールド転送では、転送した担当者からではなく、発信者から転送先へコンテキストを伝えます。
- ウォーム転送:オペレーターが直接の紹介または短い要約で転送先に概要を伝えてから、発信者をつなぎます。
- コールド転送:オペレーターが発信者を直接つなぎます。転送先に事前のコンテキストは伝わりません。
- 中間転送:オペレーターが転送先へ発信し、誰かが応答した時点で、会議通話や直接の紹介をせずに発信者をつなぎます。実際の運用では、ウォーム転送とコールド転送の中間にあたるこの方式もあります。
これらの転送方法には別の呼び方もあります。ウォーム転送はウォームハンドオフまたは有人転送、コールド転送はブラインド転送とも呼ばれます。
ウォーム転送
中間転送
コールド転送
転送先に伝わるコンテキスト
あり(接続前)
応答した通話以外はなし
なし
速度
最も遅い
中程度
最も速い
発信者による問題の再説明
なし
通常あり
通常あり
最適な用途
複雑またはデリケートな問題
概要説明なしで応答を確認したい場合
キューへの単純なルーティング

コールセンターにおけるウォーム転送とは?
コールセンターにおけるウォーム転送とは、発信者をつなぐ前に、転送先へその人のコンテキストを伝える引き継ぎ方法です。最初に対応した人間またはAIのオペレーターが、誰からの電話で何を必要としているかを伝えます。発信者は、それまでの続きから会話を再開できます。
ウォーム転送の仕組み:手順ごとの解説
- 転送を決定:オペレーターまたはAIエージェントが、別の担当者やチームによる対応が必要だと判断します。
- 発信者に説明:誰につなぐのか、その理由とともに説明します。
- 転送先へ発信:発信者に待ってもらっている間に、オペレーターが転送先へ電話をかけます。
- コンテキストを共有:オペレーターが転送先へ問題の概要を簡潔に伝えます。
- 発信者を接続:オペレーターが発信者と転送先をつなぎ、通話から退出します。
重要なのは手順4です。コンテキストを伝えることで、転送がウォームになります。この手順を省くと、同じ流れでも中間転送またはコールド転送になります。

コールド転送とは?
コールド転送では、転送先に事前通知をせず、発信者を直接つなぎます。ブラインド転送とも呼ばれます。
コールド転送は概要説明を待つ必要がないため高速です。一方で、発信者は問題を最初から説明し直さなければならないことが多く、転送後の通話時間が延び、複雑な問題を抱える発信者に不満を感じさせる可能性があります。
ウォーム転送とコールド転送を使い分けるタイミング
ウォーム転送とコールド転送のどちらを選ぶかは、コンテキストが失われることで生じる負担に合わせて判断します。ウォーム転送は時間がかかりますが、コンテキストが失われると発信者に不満を与えるような問題に適しています。対応が容易な通話では問題が起きにくいため、コールド転送を利用できます。
コンテキストを失う負担に応じて転送方法を選びます。問題の再説明が発信者の不満やミスにつながる場合は、ウォーム転送を使用してください。転送先で通話そのもの以外の情報が不要なら、コールド転送を使用します。
ウォーム転送が適しているケース:
- 複雑な問題:請求に関する異議、技術的なエスカレーション、経緯が重要となる複数手順のケース。
- デリケートな会話:苦情、解約、健康や金銭に関する問題。
- 価値の高い顧客:説明を繰り返させることで関係が損なわれるアカウント。
コールド転送が適しているケース:
- 単純なルーティング:発信者が誤った部署に電話をかけ、正しい部署へつなぐ必要がある場合。
- キューへの転送:特定の担当者ではなく、キューへ通話を転送する場合。
- 通話件数の多い回線:コンテキストより速度が重要で、次のエージェントがいずれにしても標準的な質問をする場合。

スムーズに引き継ぐためのウォーム転送のベストプラクティス
ウォーム転送では、オペレーターが会話を途中から引き継ぎ、顧客の問題をできるだけ早く解決するために必要なコンテキストをすべて伝えられます。
次の4つを実践すると、発信者とオペレーターの双方にとってウォーム転送がよりスムーズになります。
- コンテキストの要約は短く具体的に:転送先には問題の要約が必要です。誰からの電話か、何を必要としているか、すでに何を試したかを1〜2文で伝えます。
- 必ず代替手段を用意:転送先が必ず応答するとは限りません。オペレーターが通話に残る、伝言を受ける、別の番号を試すなど、対応を事前に決めてください。チームが最も見落としやすい障害パターンです。
- 次に何が起こるかを発信者に説明:接続先のチーム名を伝え、待ち時間の目安を案内します。
- 確認済みの情報を共有:発信者の本人確認やアカウント番号の確認が済んでいる場合は、その情報を含め、転送先で再確認する必要がないようにします。

ウォーム転送のスクリプトテンプレート
優れたウォーム転送スクリプトには、並行して進む2つの流れがあります。1つ目は発信者へのメッセージ、2つ目は転送先へのメッセージです。
次の例をカスタマーサービスチーム用のテンプレートとして使用できます。
発信者に聞こえる内容
「これから[チームまたは担当者名]におつなぎします。[サポート内容]について対応いたします。[問題]の詳細は担当者に共有されるため、もう一度説明する必要はありません。待ち時間は約[待ち時間]です。よろしいですか?」
転送先に聞こえる内容
「[発信者名]様からお電話です。お問い合わせ内容は[問題]です。[本人確認またはアカウント情報は確認済みです。]すでに[試したこと]を試されています。ご希望は[希望する結果]です」
例
- 発信者に聞こえる内容:「これからテクニカルサポートチームにおつなぎします。ログイン問題の詳細は担当者に共有されるため、もう一度説明する必要はありません」
- 転送先に聞こえる内容:「Jordan Lee様からお電話です。本人確認は完了しています。パスワードのリセットに3回失敗してアカウントがロックされており、本日中のアクセス復旧をご希望です」
ElevenAgentsでは、1つ目のメッセージがclient_message、2つ目がagent_messageに対応します。次のセクションで詳しく説明します。
AI音声エージェントが通話をルーティング、転送する仕組み
AI音声エージェントは、発信者が人間との通話を希望した場合など、定義された条件を満たすとツールを起動して通話を転送します。ElevenAgentsでは、transfer_to_numberシステムツールが通話中の電話を外部の電話番号またはSIP URIへ引き継ぎます。
このツールは3種類の転送に対応しており、ウォーム転送のサポート内容がそれぞれ異なります。
- カンファレンス転送:デフォルトの方式です。エージェントが転送先へ発信し、参加者を会議通話に追加してから退出するため、発信者と人間の担当者だけが残ります。Twilioネイティブインテグレーションでは、人間のオペレーターにウォーム転送メッセージを読み上げます。
- ブラインド転送:ウォームメッセージを伝えず、通話を転送先へ直接つなぎます。元の発信者番号が維持され、Twilioネイティブインテグレーションからインポートした番号が必要です。
- SIP REFER転送:SIP REFERプロトコルを使用して、電話番号またはSIP URIへ通話を転送します。SIP通話でのみ利用でき、ウォームメッセージには対応していません。
ウォーム転送の仕組みは、次の2つのパラメーターで決まります。
- client_message:転送を待っている間に発信者へ聞こえる内容。
- agent_message:通話を受ける人間のオペレーターに伝えるコンテキストの要約。
転送をウォームにするのは、まさにagent_messageです。たとえば、発信者には「これから請求担当者におつなぎします」と伝え、担当者には「発信者は3月分の請求書で二重請求され、重複分の返金を希望しています」と伝えます。
ElevenAgentsには、汎用エージェントから請求担当エージェントへルーティングする場合などに使えるAI間の引き継ぎ用transfer_to_agentもあります。このツールはAIエージェント間で会話を引き継ぎます。transfer_to_numberは人間に引き継ぎます。

ElevenAgentsでウォーム転送を設定する方法
ElevenAgentsでウォーム転送を行うには、Transfer to Numberツール、転送ルール、Twilioネイティブインテグレーションからインポートした電話番号が必要です。設定は4つの手順で完了します。
- ツールを有効化:エージェントの設定でツールを追加し、「Transfer to Human」を選択します。これにより、transfer_to_numberシステムツールが有効になります。
- 転送先を設定:転送タイプにConferenceを指定した転送ルールを作成し、E.164形式で電話番号を入力します。SIP URIの転送先にはSIP REFERが必要ですが、ウォームメッセージは伝えられません。
- トリガー条件を定義:「ユーザーが人間との通話を明示的に希望したとき」など、転送するタイミングを自然言語で記述します。
- 両方のメッセージを調整:エージェントは転送時にclient_messageとagent_messageを生成します。ツールの説明とエージェントのシステムプロンプトを使い、それぞれに含める内容を指定します。
公開前に、応答なしと話し中の場合の経路をテストしてください。エージェントに電話をかけ、応答しない回線への転送を起動し、発信者の体験が代替プランどおりであることを確認します。エージェントテストツールでは、転送に至る会話ロジックをテストできます。

ElevenAgentsで転送先が応答しない場合はどうなりますか?
転送先が応答しない場合の正確な処理は、転送タイプと電話システムの設定によって異なります。使用する転送タイプごとに代替手段を用意してください。
- カンファレンス転送:転送先が応答するまで、エージェントは会議通話に残ります。呼び出しが終了した場合、話し中の場合、外部の留守番電話につながった場合も、エージェントは通話に残ります。その後の動作は、通信事業者やSIPトランクの設定によって異なります。呼び出しが無期限に続く、通信事業者が切断する、エージェントに留守番電話や話中音が聞こえる、といった可能性があります。
- ブラインド転送:ElevenAgentsは通話を新しい転送先へリダイレクトし、エージェントを直ちに切断します。転送先が応答しない場合は、個人の留守番電話につなぐ、呼び出しを終了するなど、その後の動作を転送先の通信事業者や電話システムが決定します。エージェントは通話に戻れません。Twilioネイティブインテグレーションでは、現在、ブラインド転送をUIのJSONエディターで設定する必要があります。
- SIP REFER転送:SIPサーバーがREFERリクエストを受け入れると、エージェントはセッションを終了します。発信者をキュー、IVR、予備の担当者へ送るなど、応答がない場合のルーティングは、利用しているSIPトランクまたはPBXで設定する必要があります。
いずれの場合も、発信者の体験は、通信事業者、SIPトランク、電話システムの設定によって異なります。公開前に必ず確認してください。
応答がない場合の経路に役立つ設定は2つあります。
- 通信事業者レベルの転送:携帯電話や固定電話の番号へ転送する場合は、話し中や応答がないときに発信者が予備のキューまたは留守番電話へつながるよう、条件付き着信転送を設定します。
- SIPレベルのフェイルオーバー:SIPトランキングを使用する場合、メインの内線が「486 Busy」や「480 Temporarily Unavailable」を返したとき、またはタイムアウトしたときに、通話を予備の転送先や自動キューへルーティングするようPBXを設定します。
これらの設定を組み合わせることで、応答のない回線に発信者を取り残さずに済みます。技術的な詳細については、SIPトランキングのドキュメントをご覧ください。

ElevenAgentsで、よりスマートな通話転送を始める
ElevenAgentsを使えば、どの通話をどこへ転送するか、人間のオペレーターが応答前にどの情報を把握するかなど、すべての引き継ぎをチームで管理できます。発信者が問題を説明するのは一度だけで、オペレーターはコンテキストを把握した状態で転送された通話に対応できます。
すべての設定項目についてはTransfer to Numberのドキュメントを確認するか、アカウントを作成して、最初のエージェントを今すぐ構築してください。
通話転送に関するよくある質問
Jack LimebearはGrowthチームに所属し、ブログやインサイトページのコンテンツライター兼ストラテジストとして活躍しています。ElevenLabsに入社する前は、急成長中のSaaSスタートアップからFortune 500企業まで、さまざまな組織で10年以上にわたりコンテンツ戦略をリードしてきました。ケンブリッジ大学で英文学の修士号を取得しています。




