注目のトピック:ElevenLabsがMIT EmTech Digitalに参加

コンテンツのプロビナンス(来歴)、トレーサビリティ、モデレーションへのフォーカスを通じてAIセーフティを強化

先週、ロンドンで開催された MIT EmTech Digitalカンファレンス において、私はあるパネルディスカッションに参加しました。このパネルディスカッションでは、企業、政府、学術界が協力して機会を最大限に活用し、高度なAI製品に関わる問題に対処する方法を中心に議論が進められました。

パネルディスカッションには ElevenLabsのほか、Alan Turing Institute、Ada Lovelace Institute、BTのリーダーたちが参加し、MIT Technology Review のMelissa Heikkilä氏が司会を務めました。

AIセーフティへの3つのアプローチ

ElevenLabsは、音声AIテクノロジーが与えるインパクトを意識してこのテクノロジーを開発しています。AIセーフティを監督するという任務の中で、私が重点を置くのは、悪用を防ぎ、バッドアクターを抑止しながら、クリエイター、企業、ユーザーに力を与えることです。パネルディスカッションでは、ElevenLabsをより安全でイノバティブな空間にするために私たちが講じてきた対策の概要を説明し、AIセーフティ問題への対処を優先する戦略を取り入れることを提案しました。私が提案した戦略は次の通りです。

プロビナンス(来歴):コンテンツの出所を知ることにより、AIが生成したコンテンツと本物のコンテンツを見分けます。分類ツールなどの上流側AI検出ツールは、AI が生成した出力を認識するようにトレーニングされた確率モデルです。ElevenLabsは、サンプルをアップロードすると、それが当社のプラットフォームに由来するものかどうかをどなたでも確認することができるAI Speech Classifierを開発しました。当社はさらに、Loccus と協力し、AI コンテンツ分類機能を強化しています。しかしながら、分類ツールはプロビナンス(来歴)を知るための万能のソリューションではありません。この種のツールには限界があります。これらの限界を克服するために、メタデータ、透かしウォーバーマーク、フィンガープリントソリューションなどの下流側のAI 検出法が登場しました。私たちは、オープンで相互運用可能であるという利点を持ち、InstagramやFacebookといった主要な配信チャネル全体で AI 生成コンテンツのラベル付けを可能にする暗号署名されたメタデータ標準 C2PA のような業界全体の取り組みを支持します。

トレーサビリティ:AIが生成したコンテンツを個々のユーザーまで遡って追跡できること。ElevenLabsのシステムでは、プラットフォーム上で生成されたコンテンツを元のアカウントにリンクすることができます。また、当社のボイスクローンツールには、銀行口座情報でアカウントを認証したユーザーのみがアクセスできます。トレーサビリティに重点を置くことにより、AIプラットフォームを使用するすべての方がご自分の行動に責任を持つようになり、必要に応じて法的機関が個人を特定できるようになります。

モデレーション:許容されるコンテンツおよび使用に関する明確なポリシーを定め、ユーザーがそのポリシーに反するコンテンツを生成できないようにすること。ElevenLabsは、自動化されたシステムを使用して不適切なコンテンツをスキャンし、フラグを立て、ブロックします。フラグのついたコンテンツを人間のモデレーターが審査し、一貫したポリシーが適用されるようにしています。当社は、市民の信頼とセーフティを損なうおそれのあるコンテンツの生成を防ぐため、モデレーションテクノロジーを継続的に改善しています。OpenAIが提供するようなオープンソースのモデレーションエンドポイントを使用すると、プロンプトモデレーションをあらゆる AI アプリケーションに簡単に統合することができます。

共通の目標に向けて協力

当社は安全なAI開発を最優先していますが、AIの悪用に単独で立ち向かうことができる企業など存在しません。パネルディスカッションでは、社会や環境の変化に立ち向かい、安全なデジタルの未来を保証するためには、テクノロジー企業、政府、公民権運動に携わる団体、そして一般市民の幅広い協力が必要であることが確認されました。ElevenLabsは、私たちのコミュニティの中でオープンな対話を継続し、コンテンツ認証イニシアチブ選挙に関するセーフティ協定などの取り組みをサポートすることにより、誤情報の撲滅に力を尽くしています。

将来を見据えたAIセーフティ

パネルディスカッションでは、AI製品は安全に開発され、使用されなければならないという点で全員の意見が一致しました。同時に、私たちは、クリエイティブな、予想外の使い方も認めなければなりません。音声文字起こしを必要とする方々がデジタル コンテンツを利用しやすくするために、また、ALSその他の健康上の問題により声を失った方々の声を取り戻すためにElevenLabsのプラットフォームが活用されるケースをしばしば目にします。AIの応用を成功させるためには、AIメディアについての認識を深め、デジタルコンテンツとの批判的インタラクションを促し、信憑性を検証するためのツールを普及させ、一般市民と機関の両方にAIの倫理的な使用方法を啓蒙することが不可欠です。

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